病院環境中の空気および表面のウイルス汚染を評価するための環境調査

2011.03.03

Environmental survey to assess viral contamination of air and surfaces in hospital settings


A. Carducci*, M. Verani, R. Lombardi, B. Casini, G. Privitera
*University of Pisa, Italy
Journal of Hospital Infection (2011) 77, 242-247
病院環境中の病原性ウイルスの存在は、職員と患者の両者にとって深刻なリスクである。病院環境中のウイルスを直接検出するには技術的に大きな問題があり、一方、現行の間接的な指標にも重大な限界がある。本研究の目的は、病院環境中の表面および空気をモニターし、核酸解析により C 型肝炎ウイルス、ヒトアデノウイルス、ノロウイルス、ヒトロタウイルス、およびトルクテノウイルス(TTV)の存在を明らかにするとともに、総細菌数の測定およびヘモグロビンの存在の確認を行うことである。合計で、表面サンプル 114 件および空気サンプル 62 件を採取した。細菌汚染は、表面では極めて低値(< 1 cfu/cm2)であったが、空気サンプルの測定値は「中等度」の 282 cfu/m3 であった。調査した表面サンプルの合計 19 件(16.7%)がウイルス核酸検査陽性であり、内訳はノロウイルス 1 件、ヒトアデノウイルス 1 件、および TTV 17 件(14.9%)であった。TTV のみが空気サンプル 10 件(16.1%)から直接検出された。ヘモグロビンは表面サンプル 2 件で認められた。ウイルス指標、生化学的指標、または細菌指標の間に関連は認められなかった。得られたデータから、細菌指標を用いてウイルス汚染を検出することは困難であることが判明した。TTV が高い頻度で検出されたことから、環境のウイルス全般の汚染指標として TTV が利用できることが示唆される。
サマリー原文(英語)はこちら
監訳者コメント
環境感染対策の重要性が昨今の話題であるが、科学的な検証における手法論の選択が実験系においては特に重要となる。トルクテノウイルス(輸血伝達性ウイルス;Torque teno virus; TTV)は、1997 年日本の輸血後肝炎の患者で発見された DNA ウイルスである。

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