新生児集中治療室における汚染蒸留水によるフラボバクテリウム敗血症アウトブレイク★

2011.07.30

Flavobacterium sepsis outbreak due to contaminated distilled water in a neonatal intensive care unit


Z. Mosayebi*, A.H. Movahedian, T. Soori
*Tehran University of Medical Sciences, Iran
Journal of Hospital Infection (2011) 78, 214-215
新生児集中治療室では、水や汚染器具による敗血症アウトブレイクのために死亡率および有病率が上昇することがある。著者らは新生児におけるフラボバクテリウム(Flavobacterium)属菌によるアウトブレイクに関して、感染した新生児の特性、抗菌薬感受性、およびアウトブレイクの感染源を調査した。フラボバクテリウム敗血症の診断を受けた新生児 45 例を評価し、記述的研究を行った。性別、経腟分娩/帝王切開、早産/満期産、出生時体重、血液培養結果、およびアンチバイオグラムなどのデータを記録し、死亡または回復まで追跡した。汚染源を特定するため、環境サンプルを採取した。患児 45 例の内訳は、男児 28 例(62.2%)、女児 17 例(37.8%)であった(P < 0.001)。最も頻度が高い臨床症状は呼吸困難であった(60%)。出生時低体重を認めた新生児は 18 例(40%)であった。帝王切開により出生した新生児は 37 例(82.2%)であった。早産児は 20 例(44.4%)、満期産児は 25 例(55.6%)であった(P < 0.001)。死亡率は 17.7%であった。すべての細菌株がアンピシリン耐性、アミカシン感性であった。アウトブレイクの感染源は汚染蒸留水であった。
サマリー原文(英語)はこちら
監訳者コメント
フラボバクテリウム属菌は水系からよく分離される。血液培養陽性例が複数出た場合は、偽アウトブレイクか真の菌血症で治療が必要かを見極めてから治療や詳細な疫学調査に望む必要がある。

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