非複雑待機的大腸手術後の退院後手術部位感染症:影響とリスク因子-VINCat Program の経験★

2014.02.28

Post-discharge surgical site infections after uncomplicated elective colorectal surgery: impact and risk factors. The experience of the VINCat Program


E. Limón*, E. Shaw, J.M. Badia, M. Piriz, R. Escofet, F. Gudiol, M. Pujol, on behalf of the VINCat Program and REIPI
*VINCat Coordinator Center, Spain
Journal of Hospital Infection (2014) 86, 127-132
背景
大腸手術後の手術部位感染症(SSI)は、医療システムの測定可能な質評価指標である。病院間や国の間での SSI 率の比較が注目されるようになっているが、SSI 発生に関するデータにばらつきがあるため、このような比較は困難である。評価にあたっては、データ収集を標準化し、信頼性の高い退院後サーベイランス(PDS)を行う必要がある。
目的
待機的大腸手術後の退院後 SSI の影響とリスク因子を明らかにすること。
方法
VINCat は、スペイン・カタロニアの院内感染サーベイランスプログラムである。2007 年から 2011 年に 52 病院がこのプログラムに参加した。各病院が、待機的大腸切除術に関する標準化された積極的サーベイランスを前向きに実施した。PDS は集学的アプローチにより実施し、手術後 30 日間は必須とした。
結果
研究期間に実施された待機的大腸手術 13,661 件を対象とした。2,826 例(20.7%)が SSI と診断され、このうち PDS 中に診断されたのは 22.5%であり、その 52%は再入院が必要となった。PDS SSI の患者は入院時 SSI の患者よりも年齢が低く(オッズ比[OR]1.57、95%信頼区間[CI]1.29 ~ 1.91)、女性が多く(OR 1.40、95%CI 1.16 ~ 1.69)、内視鏡手術が多く(OR 1.56、95%CI 1.30 ~ 1.88)、切開部 SSI が多かった(OR 1.88、95%CI 1.54 ~ 2.28)。
結論
VINCat 参加病院の待機的大腸手術での SSI 率は、他の全国的なプログラムの報告と比較すると高値の部類に属する。PDS SSI は SSI の全発生率の増加をもたらし、重大な臨床的影響を及ぼし、SSI の約 4 分の 1 を占めた。低年齢と腹腔鏡手術が最も重要なリスク因子であった。大腸手術のサーベイランスを実施する病院では、標準化された集学的 PDS を行うべきである。
サマリー原文(英語)はこちら
監訳者コメント
SSI サーベイランスは、在院期間が短い場合は退院後に発生した SSI がカウントされず、見かけ上低く算出される。本論文では手術後 30 日間にわたり、多施設共同で SSI サーベイランスを実施し、その実態を明らかにした。退院後の SSI サーベイランスの必要性を強調している。

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