シエラレオネのエボラウイルス病治療ユニットに勤務する英国軍医療従事者のための個人防護装備の解決策★

2017.05.31

Personal protective equipment solution for UK military medical personnel working in an Ebola virus disease treatment unit in Sierra Leone


P. Reidy*, T. Fletcher, C. Shieber, J. Shallcross, H. Towler, M. Ping, L. Kenworthy, N. Silman, E. Aarons
*Royal Centre for Defence Medicine, UK
Journal of Hospital Infection (2017) 96, 42-48
シエラレオネのケリータウンエボラ治療ユニットに勤務する英国軍・カナダ軍医療従事者を保護することを目的として、個人防護装備(PPE)を組み合わせ、その装着および脱衣のプロトコールも作成した。この PPE 解決策は、感染リスク(特にエボラウイルス)と化学物質(次亜塩素酸塩)への曝露から医療スタッフを守るために選択されたものであった。PPE の使用により、動作性を最大限に向上させ、高温環境下で最長 2 時間の勤務を可能にし、外層の脱衣時に粘膜を保護し、PPE への次亜塩素酸塩噴霧の必要を低減することで生じうる脱衣エリアの感染性物質汚染を最小化した。
このエボラ治療ユニットは、多くの既存のエボラ治療ユニットに比べより高度な医療を提供できる設備が整っている。このため、医療従事者は、仮に医療従事者がエボラウイルス病に罹患しても欧米諸国の治療水準に可能な限り近い医療を受ける、という国際的な対応が実現される勤務環境が確保されていた。さらに、PPE を使用することで、西アフリカのエボラウイルス病治療レジメンではルーチンに行われない臨床介入が可能になるとともに、強力な防護バリアを得た。9 日間の配置前トレーニングプログラムを通じて、PPE の使用技能を育成した。このプログラムでは、配置ごとに 60 名を超える医療従事者が、模擬治療ユニットおよび教室内で PPE の技術演習を行った。全般的なトレーニングの内容は(i)選択された PPE 解決策を支持するエビデンス、(ii)PPE の装着・脱衣の技術、(iii)医療従事者の選定 PPE に対する信頼、(iv)各医療従事者が、安全に PPE を装着し、業務を遂行し、PPE を脱ぐ能力を数値化できるテストであった。
サマリー原文(英語)はこちら
監訳者コメント
2014 年にシエラレオネ、ケリータウンに設置された 12 床のエボラ治療ユニットで安全で有効な PPE の選択、着脱について検討され、実践された。論文は写真を多用して手順を説明しており、大変参考になるものであると思われる。

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