MRSA 定着の検出におけるスワブ検体の単培養とプーリング培養の比較評価

2018.02.28

Evaluation of single vs pooled swab cultures for detecting MRSA colonization


I. Grmek-Kosnik*, U. Dermota, H. Ribic, A. Storman, Z. Petrovic, T. Zohar-Cretnik
*National Laboratory of Health, Environment and Food, Slovenia
Journal of Hospital Infection (2018) 98, 149-154
背景
メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(meticillin-resistant Staphylococcus aureus;MRSA)のスクリーニングから生じる費用および検査室の負担は、個人から採取した鼻腔、咽頭および皮膚のスワブ検体を 1 個のブイヨン培地で処理すること(検体のプーリング)によって、顕著に削減する可能性がある。本研究の目的は、個々のスワブ検体およびプーリングしたスワブ検体の各種処理方法を用いて、MRSA 検出の感度および時間を評価することであった。
方法
MRSA 定着の既往歴を有する被験者 139 例からスワブで採取した 417 検体(被験者 1 例あたり鼻腔、咽頭および皮膚の 3 つのスワブ検体)を提出した。スワブを 200 μL の生理食塩液に懸濁させ、この懸濁液を個別に、またはプーリングしたサンプルとして使用し、2 つの異なる発色酵素基質培地(MRSA SMART[bioMérieux、Marcy-l’Étoile、フランス、パリ]とCHROMagar MRSA[CHROMagar、フランス、パリ])および Todd-Hewitt Broth に接種した。後者の培養物はその後、同じ発色酵素基質培地で二次培養した。
結果
MRSA は、75 例(50.4%)において少なくとも1つの試料から検出された。プーリングした監視培養の診断感度は、単培養と比較して、直接培養および増菌培養でそれぞれ 97%および 93%であった。増菌培養は個々のサンプルまたはプーリングしたサンプルのいずれの場合でも、直接培養と比較して得られる利益はなかった(P > 0.05)。
結論
発色酵素基質寒天培地での直接培養または増菌培養のための MRSA スクリーニング用スワブ検体のプーリングは、ルーチンでの使用に適している。
サマリー原文(英語)はこちら
監訳者コメント
1 人から採取した複数の MRSA スクリーニング検体を 1 個の培地で処理することの有用性を検討した論文である。使用する培地の数は減るので、コスト削減につながることは理解できる。MRSA が複数箇所から検出されたときに、それが同一株かどうかの判断が必要ない、ただ陽性か、陰性かを知るためには使える、ということであろうか。

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