ガーナにおける病院獲得感染症に関する多施設共同点有病率調査

2019.01.05

Multi-centre point-prevalence survey of hospital-acquired infections in Ghana


A-K. Labi*, N. Obeng-Nkrumah, E. Owusu, S. Bjerrum, A. Bediako-Bowan, G. Sunkwa-Mills, C. Akufo, A.P. Fenny, J.A. Opintan, C. Enweronu-Laryea, S. Debrah, N. Damale, C. Bannerman, M.J. Newman
*Korle-Bu Teaching Hospital, Ghana
Journal of Hospital Infection (2019) 101, 60-68
背景
アフリカにおける医療関連感染症(HAI)を記述したデータは少ない。
目的
ガーナの急性期病院における HAI の有病率および分布について記述すること。
方法
2016 年 9 月から 12 月にかけて、本研究に参加した病院において、欧州疾病対策センターのプロトコールを用いて点有病率調査を実施した。適格とされた入院患者の医療記録のレビューを調査日の午前8時またはその以前に行い、調査時点における HAI の存在を同定した。
結果
病院 10 施設に対して調査を行い、これは公立病院の全急性期ベッドの 32.9%に相当した。調査対象とした入院患者 2,107 例中、172 例において HAI 184 件が同定され、これは全有病率 8.2%に相当した。対象病院における有病率の値は、3.5%から 14.4%の範囲で、2 次および 3 次医療関連感染症施設でより高い有病率が認められた。高頻度でみられた HAIは、手術部位感染症(32.6%)、血流感染症(19.5%)、尿路感染症(18.5%)および呼吸器感染症(16.3%)であった。デバイス関連感染症は、HAI の 7.1%を占めていた。HAI の 12.5%では原因微生物が報告されており、最も高頻度で分離されていた微生物は大腸菌(Escherichia coli)であった。調査対象となった全患者の約 61%が抗菌薬療法を受けており、HAI 患者の 89.5%は調査日に少なくとも抗菌薬 1 剤の投与を受けていた。HAI の最も強い独立予測因子は、感染症発症前および入院中における侵襲的デバイスの存在であった。
結論
ガーナにおいては、他の低所得国および中所得国の所見と比べて、HAI の負担が小さいことが明らかになった。
サマリー原文(英語)はこちら
監訳者コメント
本論文では、ガーナでは他の低中所得国と比べて HAI の負担が小さいと結論付けられている。確かに HAI の有病率が 8.2%というのは目立って高い数字ではなく、意外に思える。ただし論文のリミテーションとして記載されているが、稼働率が 59%と低いことや、微生物検査が十分に行われていないことなどを考慮しなくてはならない。

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