クロストリジウム・ディフィシル(Clostridium difficile)の再発性感染に対するフィダキソマイシン使用の効果

2019.06.18

Effect of using fidaxomicin on recurrent Clostridium difficile infection


M. Biggs*,, T. Iqbal, E. Holden, V. Clewer, M.I. Garvey
*,University Hospitals Birmingham NHS Foundation Trust, UK
Journal of Hospital Infection (2019) 102, 165-167
フィダキソマイシンはクロストリジウム・ディフィシル(Clostridium difficile)感染症(CDI)の治療に認可された大環状抗菌薬の 1 つである。英国では、フィダキソマイシンは重度の CDI または再発のために確保されていることが多い。バーミンガムのクイーン・エリザベス病院において、2017 年から 2018 年の間のフィダキソマイシンの全経過をレビューした。38 例の患者がフィダキソマイシンの投与を受け、軽度の CDI の初回エピソード中にフィダキソマイシンを投与された場合は 64%が治療に反応した。逆に、すべての再発性 CDI 患者はフィダキソマイシンによる治療に失敗した。重度の CDI へフィダキソマイシンを使用すると、42%の患者しか反応せず、結果に一貫性はなかった。これらの結果により、フィダキソマイシンは患者の初回エピソード中の軽度の CDI の治療として最も適していることが示唆される。
サマリー原文(英語)はこちら
監訳者コメント
わが国で 2018 年に発表された CDI 感染症診療ガイドラインでは、フィダキソマイシンは重症例、再発例、難治例などに推奨されている。ところが本研究ではフィダキソマイシンはこれらの CDI において十分な有効性が期待できないとしている。またアブストラクトには記載されていないが、本文中では糞便移植がコストパフォーマンスも高くて良いと主張している。わが国でも今後フィダキソマイシンの使用知見が集積され、その位置付けが徐々にはっきりしてくるだろう。

同カテゴリの記事

2006.10.31

Bacillus spp. among hospitalized patients with haematological malignancies: clinical features, epidemics and outcomes

2019.09.29

Age alone is not a risk factor for periprosthetic joint infection

2013.08.31

Clinical relevance of a positive molecular test in the diagnosis of Clostridium difficile infection

2018.05.31

Processes of care in surgical patients who died with hospital-acquired infections in Australian hospitals

2018.02.28

Clinical factors influencing mortality risk in hospital-acquired sepsis

JHIサマリー日本語版サイトについて
JHIサマリー日本語版監訳者プロフィール
日本環境感染学会関連用語英和対照表

サイト内検索

レーティング

アーカイブ