シンガポールの 3 次ケア公立病院における COVID-19 パンデミックの影響:資源および経済的損失

2022.03.10

Impact of the COVID-19 pandemic on a tertiary care public hospital in Singapore: resources and economic costs

 

Y.Cai*, S. Kwek, S.S.L. Tang, S.E. Saffari, E. Lum, S. Yoon, J.P. Ansah, D.B. Matchar, A.L. Kwa, K.A. Ang, J. Thumboo, M.E.H. Ong, N. Graves

*Duke-NUS Medical School, Singapore

 

Journal of Hospital Infection (2022) 121, 1-8

 

 

背景

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミックにより、病院は厳格な対策を講じるよう要請された。アウトブレイクに使用される費用および資源の正確な推定は、対応の評価の指針となりうる。本稿では、シンガポール 3 次病院における COVID-19 と関連する経済的支出、COVID-19 患者における入院患者延べ在院日数、COVID-19 による病院業務の変化に関して報告する。

 

方法

シンガポール最大の公立病院において、2020 年 1 月から 2020 年 12 月までの後向き費用分析を実施した。病院の観点から費用を推定した。COVID-19 に対する直接対応に費やした経済的支出、COVID-19 入院患者に関連する入院データ、外来・救急部受診数、緊急以外の手術数、入院日数について 2020 年のデータを調査し、それまでの 2018 年、2019 年のデータと比較した。業務の変化の程度を推定するためにベイズ型時系列を使用した。

 

結果

当病院では COVID-19 関連費用に 4,196 万米ドルが発生した。設備配置および資本資産は支出の 51.6%を占め、患者ケア用物品は 35.1%を占めた。2020 年に COVID-19 の検査を受けた入院患者 19,611 例のうち 727 例(3.7%)が COVID-19 であった。2020 年の COVID-19 患者の入院日数は計 8,009 日、集中治療室在室日数は計 8 日であった。感染症アウトブレイクの警戒レベル引き上げ後の 2 月から、すべての病院業務の縮小がみられたが、6 月にロックダウンが解除されると、ほとんどの業務が速やかに再開された。

 

結論

COVID-19 は、医療支出の増加と病院業務の変化を招いた。本研究の結果は、COVID-19 対応の経済的評価に関する情報の提供に有用であり、今後のアウトブレイクの期待原価についてある程度の情報を提示するものである。

 

サマリー原文(英語)はこちら

 

監訳者コメント

新型コロナウイルス感染症の診療体制構築により、通常診療による収益が激減し多くの日本の医療施設も苦しい経営を強いられている。患者の医療機関離れも深刻で癌患者の受診控えにより治療のタイミングを失う患者が続出している。こうした状況は世界的に発生している。

 

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