IPS(Infection Prevention Society)環境、洗浄および除染教育の柱のハイライト- 英国GAMA Healthcare R&D からのブログ

2021 .12 .24

IPS(Infection Prevention Society)環境、洗浄および除染教育の柱のハイライト

英国GAMA Healthcare R&D からのブログ
2021年12月07日投稿の記事
イベントおよび展示会/EVENTS AND EXHIBITIONS



初めて開催されたIPS(Infection Prevention Society)環境、洗浄および除染教育の柱におけるハイライトをまとめました。水媒介性感染症の伝播、IPCにおける換気の役割、PPEの誤用などについてディスカッションしていきます。GAMAクリニカルチームにとって最も印象的であったコンテンツをみなさんも実感してください。



IPS環境、洗浄および除染(Environment, Cleaning and Decontamination /ECD)教育の柱とは?

IPS副会長のリサ ブッチャー氏が主宰する今回が初開催となる本イベントでは、洗浄と除染に関する新しく革新的なディスカッションにフォーカスしています。11月23日に開催された本イベントには、120名を超える参加者が集い、水、換気、除染、環境洗浄および手指衛生などのセッションが行われました。



水の安全性と感染の連鎖

Water Hygiene Centreの創設者であるダニエル ピッチャー氏は、水媒介性感染症の伝播における重要な要素について話し合うイベントを開催しました。ピッチャー氏は、使用されていないシンクや洗面台の除去、スタッフから患者への間接的な感染・伝播、逆行性感染など、水の衛生に関する多くの興味深い側面について話し、乾性バイオフィルムと湿性バイオフィルムに大きな重点を置きました。彼は、水がどのようにして洗面台から2メートルも離れたところまで届くのか、洗面台の清掃や除染が不十分または効果的でない場合、スタッフと患者の両方に逆行性感染症を引き起こす可能性があることを強調しました。彼は、3つの解決策を提案しました。


・病院の配管の建物設計は、バイオフィルムの発生を防ぐために積極的な構築がされていることを確認してください。

・効果的な洗浄製品の正しい使用とストックを徹底してください。

・洗面台の正しい使い方や、排水口の洗浄ガイダンス、例えば上部から下部まで洗浄すること、このようなことをスタッフに再教育してください。



感染予防・制御(IPC)における換気の役割

ピーター ホフマン氏(英国公衆衛生庁、コンサルタント クリニカルサイエンティスト)は、空気除染に対する多様なアプローチに焦点を当て、臨床現場における空気の質をいかに向上させるかについて説得力のある事例を提示しました。彼は、「冷たい空気」と「新鮮な空気」に関する曖昧で間違った関連や、「新鮮な空気」という言葉の定義の不明瞭点を払拭してくれました。

また、彼は自然換気などの受動的な方法で空気の質を改善できることを説明しました、それはすなわち、単に窓を開けるだけです。そして、ポートカリス ハウス*を例に挙げて、病院建築の設計においても自然換気が可能であることを強調しました。さらには、機械換気についても強調し、効果的な換気のためには1回の空気交換では不十分であり、空気の入れ替えは多ければ多いほど良いと力説しました。


*ポートカリス ハウス(Portcullis House):213名の議員と議会職員の事務所棟として利用されている、イギリスの議会を構成する建築物。



除染

クリニカルサイエンティストであり、the HIS Working Party for Theatre Ventilationの議長であるカレン スタニフォース氏は、除染、特に消毒と除染の違いを理解する上での多くのギャップを提示しました。スタニフォース氏は、臨床医が臨床機器の洗浄・除染製品を選択する際には、その活性・有効性の範囲や微生物を殺す速度など、臨床機器の洗浄に関する基準を知るべきであり、選択する製品の正しいENテスト基準についてもっと認識すべきだと強調しました。






手指衛生

Guy’s and St Thomas’ HospitalのDIPC(Director of Infection Prevention and Control)であるジョン オッター博士は、「手指衛生におけるイバラの第5の瞬間(The Thorny 5th Moment of Hand Hygiene)」を取り上げました。彼は、表面と手指衛生の間の迅速で動的な相互融通について説明し、これらの2つの接触領域が互いに排他的であってはならないことを示唆しました。彼は、手指および表面の衛生の重要性を4つのカテゴリーにまとめました。


  1. 微生物 – どのような微生物が存在し、バイオフィルムを形成できるかどうか
  2. 排出量 – 患者からウイルスなどの排出量を抑えるためにできること、例えばクロロヘキシジンの使用、シェービングの制限など
  3. 環境 – 患者の密度と空間内の動き/相互交流
  4. 行動の原動力 – 手指衛生の遵守およびスタッフに提供されるトレーニングの文化


パネルセッション

コンプライアンスの向上や、パンデミック後のIPCのあり方について、多くの質問が寄せられました。その中で、手袋の使用についての議論がありました。パンデミック時の政府の指導により、手袋が過剰に使用され、医療現場での適切な手指衛生が十分に奨励されなかったことが議論されました。水のないスペースやハンドワイプなど、手指衛生のリソースをより入念に装備していくことで、今後、手袋などのPPEの誤使用を減らすことができるのではないかと提起されました。



医療従事者は、洗浄および除染において資産なのか負債なのか?

GAMAヘルスケアのクリニカルディレクター、マーティン キアナン氏は、清潔さに関する患者の満足度に関する多くのケーススタディを紹介し、感染率と患者の満足度には相関関係があることを明らかにしました。つまり、洗浄のレベルや頻度に不満を持つ患者が多い病院ほど、院内感染率が高いということです。キアナン氏は自身の経験をもとに、質の高いトレーニングへのアクセスと時間の確保、病棟スタッフと清掃員のコミュニケーションの向上など、様々な方法でスタッフを激励する必要があること、また、洗浄に対する考え方を変えることで、臨床医が除染や洗浄のガイダンスを遵守するようになることを繰り返し述べました。


全体として、大変有意義な第一回目のイベントとなりました。ECDへの一般的な関心を高めることに成功したイベントの主催者に大きな祝福を送りたいと思います。



Michael Sanni
Clinical Specialist – Surface, GAMA Healthcare