第31回欧州臨床微生物学会2021(ECCMID 2021)バーチャル年次学術集会- 英国GAMA Healthcare R&D からのブログ

2021 .09 .14

第31回欧州臨床微生物学会2021(ECCMID 2021)バーチャル年次学術集会

英国GAMA Healthcare R&D からのブログ
2021年8月11日の記事
Events and exhibitions/イベントおよび展示



ECCMID2021バーチャル学術集会から、興味深い研究をいくつかピックアップしてご紹介します。

ECCMIDは、臨床微生物学と感染症学に関する世界的にも最高峰の学会で、関連分野の専門家が集まり、最新の知見や開発について発表することを通して、専門知識・情報を共有しています。先日開催された第31回ECCMID年次学術集会は、バーチャル会議の形態で例年通り開催され、世界中から14,000人以上の参加者が集まりました。



SARS-CoV-2パンデミックに伴う演題

当然のことながら、SARS-CoV-2のパンデミックに起因する演題・話題が多くのセッションで取り上げられ、良好な換気や空気の質の重要性が感染を防ぐための重要なファクターとして強調されていました。

大変興味深い内容のひとつに、手術室ではなく病棟(原因菌は同定されていません)で発生した深在性手術部位感染症の発生原因として、空気感染による抗生物質耐性表皮ブドウ球菌(Staphyloccocus epidermidis)の発生について、スウェーデンのUmea大学Anders Johansson教授による報告がありました。

関連記事:英国内の病院におけるSARS-CoV-2感染の軽減に対するクリネルユニバーサルのインパクト



エアロゾル感染のリスク

ポルトガルのPorto大学から発表された演題でも、エアロゾルがリスクとして取り上げられていました。この演題では、研究者は歯科医院で患者の診療前後に表面をサンプリングしています。結果は、50%以上のサンプルが汚染されていると判断され、そのうち17%がMRSAでした。MRSAとMSSAの発生率は、患者の診療後に有意に高くなりましたが、興味深いことに、患者の診療前にも汚染が確認されていたのです。この結果はすなわち、患者診療毎の環境の汚染除去が最適ではなかったことを示しています。



病原体は28日間表面に生存していました

表面に関しては、ドイツ HannoverのInstitute of Medical Microbiology and Hospital Epidemiologyが発表した一連の新しい研究成果も興味深いものでした。研究チームの報告では、臨床に関連した病原体のうち、Acinetobacter baumaniiEnterococcus faeciumが最も残存していたという結果でした。この2つの病原体は、28日(検討期間のリミット)の時点で、テストしたすべての表面で生存した形で検出されました。



風向とCOVID-19ケース

空気の話に戻りますが、エジンバラ大学から、風向きの変化に伴う地域ごとのCOVID-19感染症の変化について報告した興味深い演題がありました。演者らは、風の流れを調べ、合わせて町や地域におけるCOVID-19の発生状況の変化を調べた結果、ホットスポットからそれまで発生率の低かった地域が風下である場合、患者数が増加していると結論づけました。演者らは、これらの興味深い所見は、マスク着用支持を示唆しているとしています。