サル痘:GAMAヘルスケアクリニカルチームからの最新情報- 英国GAMA Healthcare R&D からのブログ
2022 .07 .21
英国GAMA Healthcare R&D からのブログ
2022年6月17日の記事
研究/RESEARCH
世界保健機関(WHO)は、来週、サル痘ウイルスの名称を変更することを検討しています。GAMAのクリニカル&サイエンティフィックディレクターが、このウイルスについてこれまでに判明している最新情報をお伝えします。
英国健康安全局(UKHSA)は、近頃、英国で発生しているサル痘の疫学的サマリーを発表しました。 6月15日付の最新情報によると、現在、イングランドで504例、スコットランドで13例、北アイルランドで2例、ウェールズで5例の患者が確認されています。 WHOによると、 世界では28カ国から1500人程度の患者が発生しています。
世界各地でウイルスが蔓延する中、WHOは最近、差別やスティグマを避けるためにサル痘の名称を変更すると発表しました。WHOの事務局長であるTedros Adhanom Ghebreyesus博士によると、 WHOはパートナーや専門家と協力して、サル痘ウイルスとそのクレードが引き起こす病気の名称を変更することに取り組んでいるとのことです。 WHOは、今回の流行が国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態(PHEIC)に該当するかどうかの助言をするための緊急会議を来週開催すると発表しました。
サル痘はウイルス性の人獣共通感染症で、動物からヒトに感染します(そのためこのような名前がつきました)。 インフルエンザのような症状が出た後に、特定のパターンに従った発疹が出ます。発疹の数や種類は、数個から数千個に及びます。この病気はほとんど死に至ることはありません。
今回の流行では、長時間の密接な接触、大抵は皮膚と皮膚との直接接触が最も重要な感染経路であると思われます。
ウイルスが空気感染する可能性も指摘されていますが、今のところ、この主張を裏付ける証拠はありません。
衣服、寝具、タオル、および物品類もサル痘の伝播に関与する可能性があります。
英国では、感染者の大半が男性で、ロンドンで最も多く発生しています。また、患者の大半は、ゲイ、バイセクシャル、その他男性とセックスする男性(GBMSM)であると自認しています。 英国で過去に発生したサル痘のケースとは異なり、今回の流行では海外渡航は重要なリスク要因とはなっていません。ウイルスの流行で懸念されるのは、集団に広く感染が広がることです。 サル痘の場合、その可能性は非常に低いです。このウイルスは依然として「重大な影響を及ぼす感染症」に分類されていますが、感染力はそれほど強くありません。 また、サル痘には治療法があり、予防接種が有効であることも重要です。アフリカにおける過去のデータでは、これまでの天然痘に対するワクチンのサル痘への感染予防効果は最大85%である可能性が 指摘されています。 また、ヒトにおけるサル痘の治療には、抗ウイルス剤(シドフォビルやブリンシドフォビル)が効果的です。
サル痘の感染を防ぐために最も重要な対策は、以下の通りです。
Dr. Phillip Norville
Clinical & Scientific Director, GAMA Healthcare