空気を管理することでオフィスがより安全になる理由- 英国GAMA Healthcare R&D からのブログ

2022 .04 .27

空気を管理することでオフィスがより安全になる理由

英国GAMA Healthcare R&D からのブログ
2022年4月14日の記事
研究/RESEARCH



今回の記事では、SARS-CoV-2の感染経路の認識の変化に関するEvonne Curran博士のレビューと、換気に新たに注目することでオフィスから感染症を排除する方法についてご紹介します。



Evonne Curran博士による最近の総説では、SARS-CoV-2の感染経路に関する認識が、主に飛沫感染から空気感染へと変化したことで、オフィス空間における予防策にどのように影響するのかを探っています。最も重要なことは、既存のオフィス空間の換気をどのように改善できるか、また、新しいオフィスビルにどのように優れた換気システムを設計できるかに、より焦点を当てる必要があるということです。オフィスにおける感染症の蔓延を防ぐための他の対策とともに、換気に新たに注目することは、オフィス空間から感染症を排除することにつながり、従業員と雇用者の利益となります。



予防策によりオフィスでの感染拡大を抑制

予防対策は、オフィス環境における感染症の蔓延を抑制するのに有効であることが、研究により明らかになっています。例えば、衛生面の介入は、オフィスワーカーの消化器系や呼吸器系の感染症の蔓延を抑えることができます。しかし、これまでの研究では、COVID-19のような感染症の蔓延に不十分な換気が関与している可能性については検討されていませんでした。



関連記事:手指と物の表面の衛生管理は、オフィスでの安全にどのように役立つか



SARS-CoV-2の感染に関する見方はどう変わったか

Evonne Curran博士による総説では、SARS-CoV-2ウイルスの感染経路に関する見解が、パンデミックの間にどのように変化したのかが述べられています。パンデミックの初期には、SARS-CoV-2の感染経路は飛沫感染か空気感染と考えられており、空気感染の頻度はそれほど高くないとされていました。しかし、現在では、ウイルスを含んだ粒子を吸引したり、顔の粘膜に吹き付けたりすることで、空気感染が優勢であると考えられています



日本では現在、新型コロナウイルスの感染経路として、①エアロゾル感染②飛沫感染③接触感染が考えられている(国立感染症研究所HPより)。





オフィス空間と “3C”

オフィス空間は、「3C」が頻発する場所です。



  1. Closed spaces(閉鎖的な空間)
  2. Close proximity(密接)
  3. Crowded often(密集)


このような環境では、呼吸器系ウイルスの予防策が不十分だと、感染が拡大し、従業員の疾病が増加し、生産性が低下します



この認識の変化は、オフィスにとってどのような意味を持つのでしょうか。

最も重要な変化は、換気についてもっと考えなければならないということです。実際には、次のようなことを示します。



  • 既存のオフィス空間のリスクアセスメントを新たな視点で行いましょう。
  • 換気の専門家に相談し、既存の空調システムと戦略を最大限に活用しましょう。これは、より多くの窓を開けるような単純な対策、または空調システムの補強やアップグレードのような、より複雑で高価なアプローチを含んでいます。
  • 特に換気が悪いことが分かっている場所では、室内の空気の改善における独立型空調システムの導入を検討します
  • 新しいオフィスビルを設計する際には、最適化された換気システムに投資しましょう。


換気だけではありません

換気は、オフィスビルにおけるSARS-CoV-2の感染を防ぐための重要な対策かもしれません、しかしそれだけでは十分ではありません。SARS-CoV-2伝播の重要な要因である手指、表面、呼吸器の衛生に重点を置く必要があります。また、ノロウイルスなどの消化器系疾患など、接触感染をする感染症は、換気ではあまり防ぐことができません。このため、オフィス環境では手指と表面の衛生に重点を置くことが非常に重要です



オフィス空間におけるSARS-CoV-2などの感染症の蔓延を防ぐには、最適な換気を含む一連の対策が必要です。一つの対策ですべての感染症の蔓延を防ぐことはできません。また、十分な換気を行わなければ、オフィスにおけるSARS-CoV-2の蔓延を防ぐことはできません。



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