直接観察の負担軽減に向け、AIカメラによる手指衛生観察システムを開発しました
モレーンはAI技術を活用し、WHOが提唱する医療従事者の手指衛生の5つのタイミングを検知・解析・記録するAIカメラシステム『HandEye!』を開発しました。
本システムは、2025年7月に開催された『第40回日本環境感染学会総会・学術集会』で初めて公開され、現在特許出願中です。
手指衛生の観察を自動化
医療関連感染の約8割は、手指を介した接触により伝播するとされており、WHOでは感染予防の基本である手指衛生の「5つの瞬間」を提唱しています。

しかし、これまでの「直接観察」は人の目と手作業に頼るものであり、 観察者と被観察者の双方に大きな精神的・時間的負担を強いてきました。
モレーンが開発したAIカメラシステムは、この「5つの瞬間」すべてをAIが客観的かつ自動で観察・解析する仕組みです。
精度とプライバシーの両立
AIカメラは患者のベッドサイドに設置され、医療従事者、患者、周辺の医療機器を識別し、手指衛生の実施タイミングを検知します。さらに、状況に応じて必要とされる手袋の着脱も自動で判定し、記録します。

映像データはクラウド上で管理され、撮影と同時に患者の身体全体へ自動モザイク処理が施されるため、開発者や管理者であっても個人を特定することはできず、プライバシー保護を徹底しています。
AIによる自動観察機能により、人手不足になりがちな夜間や早朝の時間帯でも確実な直接観察が可能となります。これにより、従来の紙や手入力による記録業務が不要となり、観察・記録・集計にかかる時間とコストを大幅に削減し、スタッフの負担軽減とケアの質の向上に貢献します。

現場に寄り添う感染対策
AIカメラシステムは、単に手指衛生の実施の有無だけでなく、その前後に医療機器や周辺物品に接触したかどうかも詳細に把握できます。
このデータを解析することで、手指衛生が不足しやすい具体的な場面を可視化し、現場の改善に直結させることが可能です。
正確なデータに基づく評価は、手指衛生の遵守率向上と感染率の低下に大きく貢献します。
モレーンは、感染対策製品の提供と運用支援を通じ、現場で働く医療従事者の負担軽減を目指してまいります。
引き続きAIなどの新しい技術を活用し、感染対策の本質である「人を守る」という目的を最優先に、医療現場に深く寄り添ったDX開発を継続してまいります。
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