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Date:
2021.03.10
Category:
導入事例
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導入事例 | 済生会吹田病院様

当院は大阪府吹田市南部に位置し、吹田市のみならず大阪市北部、摂津市など地域に密着した急性期病院としての役割を担っています。病床数は500床で21診療科目、二次救急医療機関、大阪府地域周産期母子医療センターなどの指定を受けています。当院の感染対策は、1997年に院内感染防止委員会(ICC)が設置され2004年より感染対策チーム(ICT)が実動的に活動を行っています

■ 導入に至った背景

− 導入前の運用や感染対策面でどのような問題点がありましたか?

私はICT(感染グループ)の一員として、病棟の看護師の感染対策における問題点があるのかを実際に自分で体験して調べてみたんです。その時に、点滴などの血液媒介の感染対策が従来の方法だけだと不十分だという事がわかりました。原因を追究してみると針捨てボックスに問題があったので、まずそこから改善しようというところから始まりました。
今までの針捨てボックスの蓋は一旦閉めると開けるのが大変だったということもあり、はじめから蓋を閉めませんでした。その結果、倒れた時に中身が飛び出して針刺し損傷が起きていました。また、持ち運びがしにくかったので結局現場では全く使用せず、使い終わった針は膿盆の中に捨てていたので針刺しのリスクが高かったんですね。

■ モレーンコーポレーションとの出会い

− モレーンコーポレーション(以下モレーン)を知ったきっかけを教えてください。

モレーンの製品はバイオコンパクトが初めてだったんですよ。実は私自身、認定学校に行って某大学病院の感染管理認定看護師を通じて初めてモレーンを知りました。

− モレーンに対してどのような印象を持たれましたか?

やはり感染管理製品を提案する会社だけあって、希望に合致した製品があるという印象でした。こういうのがあったらいいのにな、と思った製品があるのは良いですね。

■ バイオコンパクトの導入にあたって

− バイオコンパクトを導入する経緯や、決め手などはありましたか?

導入の条件として、蓋の開閉が容易、持ち運び易い、投入口が広い、という三点がありました。何社かの製品を現場で比較使用してみましたが、他社は背が高い為不安定でした。患者様のベッドサイドやイスなどは必ずしも平らとは限りません。そのような場所でも安定するように、どっしりとした製品を探しました。最終的に実際の現場の声と、全ての条件にあてはまるのがバイオコンパクトだったんですよ。
当院の採血のホルダーは針と一体式なので、開口部が狭いと捨てられないんです。それから前回まで使用していたものは薄手なので針が突き抜けることもありました。あと、形状の問題で針を容量いっぱいに入れる事ができなかったんですよ。実際に計算をしてみると、(バイオコンパクトの方が)コストが削減出来て、且つ安全性も高められるという結果になりました。

− 製品導入決定後のスタッフの反応はどのようなものでしたか?

看護師は最初なかなか(バイオコンパクトを)持って行ってくれませんでしたが、担当営業の山本さんから、「電子カルテのワゴンに取り付けたら自動的に持って行ってくれますよ」と提案をもらったのも決め手でもありましたね。スタッフ間では緊急時でも針捨てボックスを準備する手間がなくなったという事で好評です。
さらに病院機能評価Ver.5から、血液が付着したものを点滴作成台の近くに置けなくなったのですが、既に電子カルテに取り付けられているので、置き場所に困らなくなったのも良いですね。

− 導入にあたってスタッフへの教育などはどのような事をされましたか?

導入前は各病棟で使用方法や取り付け場所などの教育を行いました。投入口が広いので、倒してこぼさないよう必ず蓋を閉めるように。この線(安全投入ライン)の意味を各部署全員に周知できるよう、二回程病棟をまわりましたね。あと新人の点滴練習時にこの製品を使用し、使い方を定着させました。年二回行われる感染防止の研修でも、実際に使用している場面の写真を使いました。今年からはICTと安全管理がコラボして動画でのマニュアルも作成しました。

■ 導入後

− バイオコンパクト導入後に運用面においてどのような変化がありましたか?
また、スタッフの意識を保つためにされている事などはありますか?

導入当初は、電子カルテに取り付けられているのが邪魔ではないかという意見もありましたが最近はなくなりましたね。意識付けという面では、毎週火曜日のICTラウンド時には必ず蓋をチェックし、空いていれば現場のスタッフに直接注意を促すなどをしています。
また、当直中の採血時などにこの製品を忘れずに持って行っているかなどのチェックもしています。各部署にはリンクナースが一名ずついるんですが、その中で血液媒介を防ぐチームでは、点滴作成の現場のスタッフが教えられる環境も整っているので、定着はしていると思います。

■ 感染管理の今後について

− 感染管理の面において今後課題とされている事などはありますか?

今年の大きな課題は安全装置付き留置針の導入と、サーベイランスの改正、それから汚物処理室の改善です。現在全て手洗いで処理しているので、尿器、便器等の汚物処理のレベルを上げて行きたいと思ってます。感染管理と並行に、現実的にできていない部分の改善を考えていますね。そのため、システムを整えてから教育体制を充実させていきたいですね。

− スタッフへの教育面

今年から、希望者向けに選択研修(基礎と応用各3回ずつ)シリーズの教育体制を敷き、実践的に動ける感染管理のスタッフの育成を目指しています。今年は看護師の約二割程が参加しています。難しくて堅いイメージが持たれていた感染対策に興味を持ってもらう為に、クイズや間違い探し、その他KYT法(危険予知トレーニング)などを取り入れ、今までのような一方的な講義から、お互いキャッチボールができるような研修にしています。
スタッフには常に、「自分を守る事が患者様を守る事につながる。」と言っています。もちろん患者様中心に考えるようには言っていますが、結局自分を守るという事にならないと人間はなかなか動けない部分がありますからね。

− 患者様について

地域密着型の病院なので、新型インフルエンザ予防策などの講習会なども行います。流行時の来院者に対しては手指消毒を行うなど、手指衛生を定着させることができました。その他、患者様には自分の処置などに院内で使用して頂くためのグローブなども提供しています。

− モレーンコーポレーションへの要望などはありますか?

僕たちの意見を聞いてくれる会社なので、常にそれを維持しながら良い製品を紹介してもらいたい。コンプライアンスがあがるような製品をさらに出して来て欲しいと思います。

編集後記

担当営業との事前打合せで、バイオコンパクトの導入までの”決して平坦ではなかった”経緯を聞いていた私は、病院の規模を目の当たりにするにつれて緊張が高まってきました。やがて取材が始まり、気さくな藤本様からお話を伺っているうちにその緊張も和らぎ、リラックスした雰囲気で取材を終える事ができました。 バイオコンパクトに関しては高い評価を頂いており、しっかりとした運用によりスタッフの針刺し損傷防止に役立てられているようでした。取材後は写真撮影の為に院内を案内して頂きましたが、全てのワゴンには当社製品の黄色い針捨てボックスが取り付けらているのを見たときは感動を憶えました。済生会吹田病院様のような感染対策に責任感をもって取り組まれている医療施設は、患者様の視点からも安心できるのではないでしょうか。

済生会吹田病院 様
住所 : 〒564-0013 大阪府吹田市川園町1-2
院長 : 岡上 武 様
ご担当 : 看護部 感染管理担当師長・感染管理認定看護師 藤本 憲明 様

*ご担当者様のご経歴や、病院での使用方法などは取材当時のものでございます。

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